科学リテラシーは買い控えを抑制するか?

455th KSP @ 関西くゎんせい学院大学梅田キャンパス

中西大輔 (広島修道大学), 井川純一 (大分大学), 横田晋大 (広島修道大学)

26th May, 2018

本研究の目的

本報告の概要

  • 福島県産品の買い控えとリスク/メディアリテラシーの関係はどうなっているのか、2015年、2017年、2018年に行った調査の結果を報告する。
  • リスクリテラシーやメディアリテラシーを身につけさせたら、買い控えの問題 (いわゆる「風評被害」の問題) は解決するのだろうか?
  • おそらく、そうではない、という結果を報告する。

本研究で問題にすること

  • 問い: リスク/メディアリテラシーは福島県産品の買い控えを抑制するのだろうか?

    • 尺度で測定されるリテラシーは主に態度 (≒批判的思考) であり、知識を測定しているわけではない。
    • 科学的知識が買い控えを抑制するというのは直感的に理解できるが、批判的思考については? リテラシーの高い消費者は何を批判するのだろう?

      • 「科学的リテラシ-は、科学的知識と批判的思考に基づいて、自然界と科学技術を理解し、証拠に基づいて結論を導く能力である」(楠見, 2013)
      • 「メディアリテラシーは、(中略) 情報を評価・識別する能力や情報を批判的 (クリティカル) に読み取る能力を指す」(三浦, 2016)
      • 「安全でない」ということを批判するのか、「安全である」ということを批判するのか?
    • そこで放射性物質に関する知識や一般的科学知識をクイズ形式で測定したところ、もう少し複雑な結果が得られた。

本報告の結論

  • メディアリテラシーや食品リスクリテラシーの高い者 (メディアや食品リスクについての「意識の高い」消費者) のほうが買い控えを行なっている可能性がある。
  • しかし、

    • 放射性物質に関する知識は買い控えを抑制する。
    • 一般的な科学知識はむしろ買い控えを促進する。

本研究で扱うリテラシー

  • メディアリテラシー

    • メディアについての批判的思考傾向が高い「賢い」消費者は買い控えを抑制できるか (あるいは逆に買い控えをするか) 検討したい。
  • 食品リスクリテラシー

    • 福島県産品食品の買い控えについて検討したいので、食品に関するリスクリテラシーを扱いたい。また、それと類似した「フードファディズム」という概念があるが、実はこれと食品リスクリテラシーは区別が難しいことも指摘したい (ポジティブに言う場合には「リテラシー」と言うし、ネガティブな側面を強調する場合には「ファディズム」と言われる)。

メディアリテラシーと買い控え

  • 安全性が客観的に保証された福島県産品を買い控えるのはなぜか?
  • メディアリテラシーが低いから?

    • 直感的にそれは正しそうに思えるが、なぜメディアリテラシーが低いと買い控えを行うのだろう?
    • 政府や権威機関の発表を疑うこと (=高メディアリテラシー行動) が買い控えを促進しているのではないだろうか?
    • メディアリテラシーには疑うことも含まれているのだから、正式の発表を疑って買い控えに至るという可能性もあるのではないか?

リスクリテラシーと買い控え

  • 食品リスクリテラシーと買い控え

    • 福島県産品を買い控えるのは、食品リスクを正当に評価できていないことが原因かもしれない。
    • しかし、本当にそうなのだろうか?

リスクリテラシーが買い控えを抑制しない可能性を考える

  • 実は、むしろリスクリテラシーが高い方が買い控えをするのかもしれない。
  • 第1種の過誤 (リスクがないのにあると誤認する) よりも第2種の過誤 (リスクがあるのにないと誤認する) のほうが重要 (Error Management theory: Haselton & Buss, 2000)。

    • 特に、放射能汚染によるリスクは、もしそれが本当だった場合取り返しがつかない。
    • 一方、忌避していた食品にリスクがなくても、他に選択肢がある以上、大きな問題とはならない (食品の産地は選ぶことができる)。
    • したがって、この場合、買い控えを行うことが合理的である。食品リスクリテラシーの高い消費者であるからこそ、買い控えを行うのだ。
  • 放射性物質についての知識や一般的科学知識の豊富さはどう関係する?

    • 少なくとも放射性物質についての正しい知識は買い控えを抑制しそう。

本報告の内容

  • 中西他 (rejected) の調査結果と2018年 (unpublished) の調査結果 (3年分) の報告
  • メディア/リスクリテラシーおよび知識は買い控え傾向にどのような影響を与えるのか?

2015年調査

目的、調査日時・サンプル (2015)

  • メディア/食品リスクリテラシーが買い控え傾向にどのような影響を与えるかを検討。

  • 調査日時: 2015年3月3日から4日
  • 株式会社マクロミルのモニター

SEX N Age_Mean Age_SD
male 430 49.23 12.80
female 600 39.14 11.93

使用した尺度 (1) (2015)

  • 風評被害を望ましくないと思う傾向 (1: 全くそう思わない〜6: 非常にそう思う)

    1. 福島第一原子力発電所の事故で起こった風評被害は望ましくない現象である
    2. 風評被害によって福島県の農家が損失を被るのは望ましくない現象である
  • 買い控え傾向 (1: 全くそう思わない〜6: 非常にそう思う)

    1. 国の基準が守られていれば、福島第一原子力発電所の近辺で取れた作物を食べることに抵抗はない (逆)
    2. 風評被害を防ぐために、率先して福島県産の作物を購入したいと思う (逆)
    3. 福島県産の作物と他県で採れた作物が同じ値段だったら、他県のものを購入する

使用した尺度 (2) (2015)

  • リテラシー関連項目 (5段階)

    1. 食品リスクリテラシー尺度 (楠見・平山, 2013)
    2. メディア・リテラシー尺度 (後藤, 2005)
    3. フードファディズム尺度 (土岐, 2006)
  • 特性不安尺度 (清水・今栄, 1981) (4段階)

食品リスクリテラシ-尺度 (1: あてはまらない〜5: あてはまる) (2015)

  1. 食品の安全性のことで知らないことがあると気になる
  2. テレビの健康情報番組を見て、安易にまねしないようにしている
  3. 食品の安全性のための情報を日頃から積極的に集めてい
  4. 同じ食品を毎日食べることはリスクがあるため、多くの種類の食品をバランスよく食べるようにしている
  5. 食品を買うときや食べるときは遺伝子組み換え食品であるかどうかを気にする
  6. 野菜や果物を買うときや食べるときは無農薬であるかどうかを気にする
  7. 加工食品を買うときや食べるときは食品添加物が入っているかを気にする
  8. 野菜や果物を買うときや食べるときは中国産であるかどうかを気にする
  9. 牛肉を買うときや食べるときはアメリカ産であるかどうかを気にする

メディアリテラシ-尺度 (1: そう思わない〜5: そう思う) (2015)

  1. 新聞記者が集めた情報は、全てが記事になる
  2. テレビの同じ場面で、音楽 (BGM) が変わっても受ける感じはそれほど変わらない
  3. ニュースを作る人は、見る人を楽しませることは考えていない
  4. 同じ番組は、だれが見ても同じように理解される
  5. コマーシャルでは、よく売れるように商品のイメージを強調している
  6. テレビで放送されたことが、新しい流行になることがある
  7. テレビや新聞がどう情報を伝えるかによって、人々のものの考え方は大きく変わる
  8. テレビをみていて、大げさな表現をしていると感じるときがある
  9. テレビや新聞をみていて伝え方が公平ではないと思うことがある
  10. 本に書いてあったことでおおげさだと思ったことがある
  11. 知りたいと思ったことは人に聞くより本やインターネットでさがす方だ
  12. テレビではニュースや報道番組も見る
  13. 調べものをするとき、本や新聞、インターネットのどれで調べたらいいかまず考える
  14. 知りたいと思う情報を得るにはテレビで十分だ
  15. 新しい知識を得るのにテレビだけでなく新聞や本も役立てている
  16. 必要な情報を得るためなら、多少のお金がかかってもかまわない
  17. 自分の好きなことや興味のあることで知らないことがあると気になる
  18. テレビの情報でもそのまま信じるよりも他のテレビ局の番組や新聞、インターネットで確かめた方がよい

フードファディズム尺度 (1: 全く当てはまらない〜5: 非常に当てはまる) (2015)

  1. 野菜や魚などの食品が、外国産か国内産か気になる。
  2. 遺伝子組み換え食品は利用しない。
  3. 輸入食品は利用しない。
  4. 野菜は無農薬、有機野菜を利用する。
  5. 食品添加物が入っている食品は利用しない。
  6. 着色料が使われている食品は利用しない。
  7. 「~を食べてはいけない」という類の本を読む。
  8. 市販食品のカロリーはチェックする。
  9. 一日の摂取カロリーが気になる。
  10. 三食きちんと食べている。
  11. 時間がなくても食事を抜かない。
  12. 毎日決まった時間に食事をする。
  13. 食品で「~が体に良い」と聞くと利用する。
  14. 健康番組の影響を受けやすい。

特性不安尺度 (STAI) (1: 全くそうでない〜4: 全くそうである) (2015)

  1. たのしい。
  2. 疲れやすい。
  3. 泣きだしたくなる。
  4. ほかの人と同じくらい幸せであったならと思う。
  5. すぐに決心がつかず迷いやすい。
  6. ゆったりした気持である。
  7. 平静・沈着で落ちついている。
  8. 困難なことがかさなると圧倒されてしまう。
  9. 実際に大したこともないことが気になってしかたがない。
  10. 幸せである。
  11. 物事を難しく考える傾向がある。
  12. 自信が欠如している。
  13. 安心している。
  14. やっかいなことは避けて通ろうとする。
  15. 憂うつである。
  16. 満足している。
  17. ささいなことに思いわずらう。
  18. ひどくがっかりしたときには気分転換ができない。
  19. 物に動じないほうである。
  20. 身近な問題を考えるとひどく緊張し混乱する。

因子分析 (1) (2015)

  • 因子分析 (食品リスクリテラシー、メディア・リテラシー、フードファディズム全てを投入し最尤法プロマックス回転)
Factor1 Factor2 Factor3 Communality
Q_FoodLiteracy06 0.79 -0.07 -0.02 0.35
Q_FoodLiteracy07 0.78 0.07 0.04 0.39
Q_FoodLiteracy05 0.77 0.07 -0.07 0.57
Q_FoodFaddism02 0.75 0.05 -0.10 0.61
Q_FoodFaddism04 0.75 -0.12 0.02 0.63
Q_FoodFaddism05 0.71 -0.14 0.05 0.39
Q_FoodFaddism06 0.70 -0.10 0.01 0.37
Q_FoodFaddism01 0.63 0.17 0.03 0.17
Q_FoodFaddism03 0.63 -0.20 -0.05 0.33
Q_FoodLiteracy09 0.61 0.00 0.01 0.38
Q_FoodLiteracy03 0.60 0.02 0.07 0.64
Q_FoodLiteracy08 0.57 0.21 0.02 0.71
Q_FoodLiteracy01 0.53 0.15 0.10 0.63
Q_MediaLiteracy08 -0.03 0.84 -0.01 0.43
Q_MediaLiteracy07 -0.05 0.80 0.09 0.22
Q_MediaLiteracy09 0.06 0.78 -0.12 0.29
Q_MediaLiteracy10 0.09 0.64 -0.12 0.31
Q_MediaLiteracy06 -0.10 0.61 0.13 0.19
Q_MediaLiteracy05 -0.04 0.58 -0.02 0.34
Q_MediaLiteracy18 0.06 0.58 -0.03 0.45
Q_MediaLiteracy12 -0.04 0.54 0.10 0.54
Q_MediaLiteracy14 -0.03 0.53 -0.18 0.40
Q_MediaLiteracy11 -0.06 0.46 0.08 0.58
Q_MediaLiteracy17 0.07 0.41 0.12 0.54
Q_MediaLiteracy04 -0.10 0.41 -0.03 0.50
Q_FoodFaddism13 0.02 0.00 0.88 0.79
Q_FoodFaddism14 -0.03 -0.07 0.85 0.72
Cumulative Var 0.23 0.40 0.46 NA

因子分析 (2) (2015)

  • 因子分析 (不安: 最尤法プロマックス回転)
Factor1 Communality
anxiety17 0.77 0.07
anxiety18 0.76 0.26
anxiety12 0.75 0.35
anxiety09 0.72 0.23
anxiety20 0.72 0.37
anxiety15 0.68 0.11
anxiety08 0.66 0.12
anxiety11 0.64 0.44
anxiety05 0.61 0.52
anxiety03 0.59 0.07
anxiety02 0.51 0.41
anxiety14 0.48 0.56
anxiety04 0.48 0.13
anxiety19 0.36 0.23
anxiety13 0.36 0.46
anxiety07 0.34 0.09
anxiety06 0.33 0.59
anxiety16 0.30 0.58
anxiety01 0.27 0.13
anxiety10 0.26 0.51
Cumulative Var 0.31 NA

因子分析のまとめ (2015)

  • 第1因子: 食品リスクリテラシー因子 (食品リスクリテラシー+フードファディズム) α=.92

    • 「野菜や果物を買うときや食べるときは無農薬であるかどうかを気にする」や「遺伝子組み換え食品は利用しない」
  • 第2因子: メディアリテラシー因子 (メディア・リテラシー) α=.87

    • 「テレビをみていて, 大げさな表現をしていると感じるときがある」など
  • 第3因子: 健康配慮因子 (フードファディズム尺度の2項目) α=.86

    • 「食品で『~が体に良い』と聞くと利用する」など
  • 特性不安尺度 α=.91

    • 1因子指定で因子分析を行い、負荷の低かった7項目 (「たのしい」、「ゆったりした気持ちである」、「平静・沈着で落ち着いている」、「幸せである」、 「安心している」、 「満足している」、 「物に動じないほうである」) を削除

望ましさに関する項目の分析 (2015)

  • 福島第一原子力発電所の事故で起こった風評被害は望ましくない現象である。
  • 風評被害によって福島県の農家が損失を被るのは望ましくない現象である。

買い控えに関する項目の分析 (2015)

  • 国の基準が守られていれば、福島第一原子力発電所の近辺で取れた作物を食べることに抵抗はない。(逆転)
  • 風評被害を防ぐために、率先して福島県産の作物を購入したいと思う。(逆転)
  • 福島県産の作物と他県で採れた作物が同じ値段だったら、他県のものを購入する。

相関 (2015)

消費者の行動に矛盾はあるか? (1) (2015)

  • 風評被害を望ましくないと思っている消費者ほど、買い控え的行動には否定的 (rは.27から.50の範囲)
  • しかし、「風評被害は望ましくないが、自分は買い控えをする」矛盾した消費者はどのくらいいるのか?

消費者の行動に矛盾はあるか? (2) (2015)

買い控え傾向は何によって影響されるか? (2015)

  • 従属変数: 買い控え傾向 (3項目合算)
  • 独立変数: 性別、年齢、福島への距離、子どもの有無、風評被害を望ましくないと思う傾向、食品リスクリテラシー、メディアリテラシー、健康配慮、不安
    • R2=.30 (p<.01)
Estimate Std. Error t value Pr(>|t|)
(Intercept) -0.06 0.05 -1.10 0.27
SEXfemale -0.01 0.06 -0.15 0.88
AGE_s -0.13 0.03 -4.15 0.00
AREAdis_s 0.05 0.03 1.99 0.05
CHILDhave 0.11 0.06 2.01 0.04
Undesirable_s -0.50 0.03 -18.99 0.00
Food_Literacy 0.11 0.03 3.98 0.00
Media_Literacy 0.09 0.03 3.61 0.00
Health 0.06 0.03 2.41 0.02
Anxiety 0.02 0.03 0.91 0.36

買い控え傾向は何によって影響されるか? (2015)

  • 買い控えの要因
    • 年齢が低いこと (β=-.13)
    • 福島への距離が遠いこと (β=.05)
    • 子どもがいること (β=.11)
    • 「風評被害は望ましくない」と思わないこと (β=-.50)
    • 食品リスクリテラシーの高いこと (β=.11)
    • メディアリテラシーの高いこと (β=.09)
    • 健康配慮傾向の高いこと (β=.06)

2015年調査の考察 (2015)

  • 食品リスクリテラシーとフードファディズムは1つの因子にまとまる。
  • 風評被害を望ましくないとしつつも、それを支える買い控え行動をとっている (と思われる) 消費者が存在する。

    • とはいえ、全体的には「風評被害は望ましくない」と思っている消費者は買い控えをしない。
  • むしろ、食品リスクリテラシーやメディアリテラシーの高い消費者が買い控え行動を取っている。

2017年調査

目的、調査日時・サンプル (2017)

  • 2015年調査の追試及び放射線についての知識の影響を調査
  • 調査日時: 2017月2月16日から19日
  • 株式会社マクロミルのモニター
SEX N Age_Mean Age_SD
male 440 39.85 11.31
female 440 39.50 11.07

使用した尺度 (1) (2017)

  • 風評被害を望ましくないと思う傾向 (1: 全くそう思わない〜6: 非常にそう思う) 2015年調査と同様

    1. 福島第一原子力発電所の事故で起こった風評被害は望ましくない現象である
    2. 風評被害によって福島県の農家が損失を被るのは望ましくない現象である
  • 買い控え傾向 (1: 全くそう思わない〜6: 非常にそう思う) 2015年調査と同様

    1. 国の基準が守られていれば、福島第一原子力発電所の近辺で取れた作物を食べることに抵抗はない (逆)
    2. 風評被害を防ぐために、率先して福島県産の作物 を購入したいと思う (逆)
    3. 福島県産の作物と他県で採れた作物が同じ値段だっ たら、他県のものを購入する

使用した尺度 (2) (2017)

  • リテラシー関連項目 (5段階) 2015年調査と同様

    1. 食品リスクリテラシー尺度 (楠見・平山, 2013)
    2. メディア・リテラシー尺度 (後藤, 2005)
    3. フードファディズム尺度 (土岐, 2006)
  • 特性不安尺度は削除
  • 三浦他 (2016) 放射性物質に関する知識設問

放射性物質に関する知識設問 (1) (2017)

  1. 人工放射線と自然放射線とで、どちらが人体への悪い影響を及ぼしますか。最も適切なものを1つ選んでください。

    1. 人工放射線の方が悪影響を及ぼす
    2. 自然放射線の方が悪影響を及ぼす
    3. 自然か人工かで違いはない
    4. どれも正しくない
    5. 分からない
  2. 現在、原発事故による大気中や食品中の放射性物質が健康に及ぼす悪影響として何が一番おきやすいですか。最も適切なものを1つ選んでください。

    1. 白血球が減少する
    2. 鼻血が出る
    3. 妊娠しにくくなる
    4. これらのことは起こらない
    5. 分からない

放射性物質に関する知識設問 (2) (2017)

  1. 農産物の放射能のレベルが「ただちに健康に影響があるレベルではない」という発表はどのような意味ですか? 最も適切なものを1つ選んでください。

    1. 将来的には影響がある
    2. 将来的には影響があるかもしれない
    3. 毎日一定量、長期間食べ続けないかぎり健康に影響するレベルに達しない
    4. 毎日一定量、長期間食べ続けた場合の健康に影響するレベルはわかっていない
    5. 分からない
  2. 人間が放射線を浴びたときの影響について「吸収線量に放射線の危険度に応じた値を掛けた」数値の単位をなんと言いますか。最も適切なものを1つ選んでください。

    1. ベクレル
    2. シーベルト
    3. キュリー
    4. グレイ
    5. 分からない

放射性物質に関する知識設問 (3) (2017)

  1. 1マイクロ・グラムは1ミリ・グラムの何分の1ですか? 最も適切なものを1つ選んでください。

    1. 10分の1
    2. 100分の1
    3. 1000分の1
    4. 1万分の1
    5. 分からない
  2. 原発事故によって、農産物に付着したり水道水に溶けたりした放射性物質の中で、乳幼児への健康被害が心配された、半減期が8日程度と比較的短いものは何ですか。

    1. セシウム
    2. ヨウ素
    3. プルトニウム
    4. ウラン
    5. 分からない

因子分析 (2017)

Factor1 Factor2 Factor3 Communality
Q_FoodLiteracy06 0.85 -0.10 -0.08 0.36
Q_FoodLiteracy07 0.80 0.03 -0.05 0.36
Q_FoodLiteracy05 0.80 0.06 -0.05 0.22
Q_FoodFaddism05 0.78 -0.17 -0.03 0.61
Q_FoodFaddism06 0.74 -0.13 0.03 0.67
Q_FoodFaddism04 0.73 -0.15 0.01 0.61
Q_FoodFaddism02 0.68 0.06 -0.01 0.41
Q_FoodLiteracy09 0.63 0.05 -0.02 0.40
Q_FoodLiteracy03 0.59 -0.03 0.03 0.27
Q_FoodFaddism03 0.58 -0.26 0.06 0.36
Q_FoodFaddism01 0.56 0.26 0.02 0.47
Q_FoodLiteracy08 0.50 0.36 0.00 0.64
Q_FoodLiteracy01 0.48 0.22 0.13 0.71
Q_FoodLiteracy04 0.42 0.15 0.03 0.66
Q_MediaLiteracy08 -0.02 0.84 -0.07 0.46
Q_MediaLiteracy09 0.02 0.81 -0.07 0.27
Q_MediaLiteracy07 -0.09 0.80 0.04 0.29
Q_MediaLiteracy10 -0.05 0.68 -0.04 0.30
Q_MediaLiteracy06 -0.11 0.67 0.15 0.19
Q_MediaLiteracy18 0.07 0.62 -0.05 0.30
Q_MediaLiteracy05 -0.01 0.60 0.02 0.39
Q_MediaLiteracy17 0.00 0.55 0.07 0.41
Q_MediaLiteracy12 0.00 0.54 0.07 0.47
Q_MediaLiteracy11 -0.08 0.52 0.09 0.41
Q_MediaLiteracy14 -0.10 0.49 -0.19 0.55
Q_MediaLiteracy04 -0.16 0.47 -0.13 0.59
Q_MediaLiteracy15 0.10 0.41 0.07 0.56
Q_FoodFaddism13 -0.08 0.00 0.86 0.69
Q_FoodFaddism14 -0.07 -0.09 0.85 0.69
Cumulative Var 0.22 0.41 0.46 NA

因子分析のまとめ (2017)

  • 2015年調査とほぼ同じ結果

    • 第1因子: 食品リスクリテラシー因子 (食品リスクリテラシー+フードファディズム) α=.91
    • 第2因子: メディアリテラシー因子 (メディア・リテラシー) α=.89
    • 第3因子: 健康配慮因子 (フードファディズム尺度の2項目) α=.82

放射性物質知識設問の回答分布 (2017)

放射性物質知識設問全6問の正答数分布 (2017)

##    vars   n mean  sd median trimmed  mad min max range skew kurtosis   se
## X1    1 880 1.31 1.2      1    1.19 1.48   0   6     6 0.69    -0.08 0.04

放射性物質知識設問の正答率 (2017)

  • 三浦他 (2016) の第1波では、

    1. 0.37
    2. 0.12
    3. 0.39
    4. 0.20
    5. 0.50
    6. 0.48
vars n mean sd median trimmed mad min max range skew kurtosis se
Knowledge01A 1 880 0.29 0.45 0 0.23 0 0 1 1 0.94 -1.11 0.02
Knowledge02A 2 880 0.10 0.30 0 0.00 0 0 1 1 2.64 4.98 0.01
Knowledge03A 3 880 0.21 0.41 0 0.14 0 0 1 1 1.40 -0.03 0.01
Knowledge04A 4 880 0.20 0.40 0 0.13 0 0 1 1 1.47 0.16 0.01
Knowledge05A 5 880 0.32 0.47 0 0.28 0 0 1 1 0.76 -1.42 0.02
Knowledge06A 6 880 0.18 0.39 0 0.10 0 0 1 1 1.64 0.68 0.01

望ましさに関する項目の分析 (2017)

  • 福島第一原子力発電所の事故で起こった風評被害は望ましくない現象である。
  • 風評被害によって福島県の農家が損失を被るのは望ましくない現象である。

買い控えに関する項目の分析 (2017)

  • 国の基準が守られていれば、福島第一原子力発電所の近辺で取れた作物を食べることに抵抗はない。(逆転)
  • 風評被害を防ぐために、率先して福島県産の作物を購入したいと思う。(逆転)
  • 福島県産の作物と他県で採れた作物が同じ値段だったら、他県のものを購入する。

相関 (2017)

消費者の行動に矛盾はあるか? (1) (2017)

  • 風評被害を望ましくないと思っている消費者ほど、買い控え的行動には否定的だが、「他県のものを購入する」に関しては相関が極めて弱い (rは.01と.08)
  • 2015年調査と同じく「風評被害は望ましくないが、自分は買い控えをする」矛盾した消費者はどのくらいいるのかを次に調べる。

消費者の行動に矛盾はあるか? (2) (2017)

買い控え傾向は何によって影響されるか? (2017)

  • 従属変数: 買い控え傾向 (3項目合算)
  • 独立変数: 性別、年齢、福島への距離、子どもの有無、風評被害を望ましくないと思う傾向、食品リスクリテラシー、メディアリテラシー、健康配慮、不安、放射線知識設問正答数
    • R2=.17 (p<.01)
Estimate Std. Error t value Pr(>|t|)
(Intercept) -0.09 0.05 -1.71 0.09
SEXfemale -0.04 0.06 -0.59 0.56
AGE_s -0.08 0.03 -2.34 0.02
AREAdis_s 0.07 0.03 2.30 0.02
CHILDhave 0.22 0.07 3.28 0.00
Undesirable_s -0.32 0.03 -9.30 0.00
Food_Literacy 0.11 0.03 3.26 0.00
Media_Literacy 0.25 0.03 7.45 0.00
Health 0.06 0.03 1.75 0.08
Knowledge_s -0.13 0.03 -3.99 0.00

買い控え傾向は何によって影響されるか? (2017)

  • 買い控えの要因
    • 年齢が低いこと (β=-.08)
    • 福島への距離が遠いこと (β=.07)
    • 子どもがいること (β=.22)
    • 「風評被害は望ましくない」と思わないこと (β=-.32)
    • 食品リスクリテラシーの高いこと (β=.11)
    • メディアリテラシーの高いこと (β=.25)
    • 放射線に関する知識が乏しいこと (β=-.13)

2017年調査の考察 (2017)

  • 基本的に2015年調査の結果が再現された。

    • 食品リスクリテラシーとフードファディズムは1つの因子にまとまる。
    • 風評被害を望ましくないとしつつも、それを支える買い控え行動をとっている (と思われる) 消費者が存在する。

      • とはいえ、全体的には「風評被害は望ましくない」と思っている消費者は買い控えをしない。
    • むしろ、食品リスクリテラシーやメディアリテラシーの高い消費者が買い控え行動を取っている。

  • 放射線に関する知識のある消費者 (少ないけれど) は買い控えを行わない傾向にある。

2018年調査

目的、調査日時・サンプル (2018)

  • 2015/2017年調査の追試及び一般的科学知識の影響を調査
  • 調査日時: 2018月2月27日から28日
  • 株式会社マクロミルのモニター
SEX N Age_Mean Age_SD
male 1038 44.31 14.29
female 1042 44.18 13.95

使用した尺度 (2018)

  • 2015/2017年調査と同様

    • 風評被害を望ましくないと思う傾向 (1: 全くそう思わない〜6: 非常にそう思う)
    • 買い控え傾向 (1: 全くそう思わない〜6: 非常にそう思う)
    • リテラシー関連項目 (5段階)
      1. 食品リスクリテラシー尺度 (楠見・平山, 2013)
      2. メディア・リテラシー尺度 (後藤, 2005)
      3. フードファディズム尺度 (土岐, 2006)
  • 2017年調査と同様

    • 三浦他 (2016) 放射性物質に関する知識設問 (2017年調査と同様)
  • 岡本・丹羽・清水・杉万 (2001) 科学技術に関する知識設問

    • 全23問のうち以下4問を削除し、19問として正答数を算出

      • 放射性物質に関する2問、2段階になっている2問をそれぞれ1問に (完全回答に)

科学技術に関する知識設問 (1) (2018)

  • 以下は「正しい」「誤っている」「わからない」

    1. 地球の中心部は非常に高温である 正しい
    2. すべての放射能は人工的に作られたものである 誤っている (使用しない)
    3. 我々が呼吸に使っている酸素は植物から作られたものである 正しい
    4. 赤ちゃんが男の子になるか女の子になるかを決めるのは父親の遺伝子である 正しい
    5. レーザーは音波を集中することで得られる 誤っている
    6. 電子の大きさは原子の大きさよりも小さい 正しい
    7. 抗生物質はバクテリア同様ウイルスも殺す 誤っている
    8. 宇宙は巨大な爆発によって始まった 正しい
    9. 大陸は何万年もかけて移動しており、これからも移動するだろう 正しい
    10. 現在の人類は原始的な動物種から進化したものである 正しい
    11. 喫煙は肺がんをもたらす 正しい
    12. ごく初期の人類は恐竜と同時代に生きていた 正しい
    13. 放射能に汚染された牛乳は沸騰させれば安全である 誤っている (使用しない)

科学技術に関する知識設問 (2) (2018)

  1. 光と音はどちらが速いと思いますか。
    • どちらも同じくらい
  2. 地球が太陽の周りを回っていますか、太陽が地球の周りを回っていますか。 (使用しない)
    • 地球が太陽の周りを回っている
    • 太陽が地球の周りを回っている
  3. 地球が太陽の周りを回るのにどれくらいかかりますか。(2が正答だった者のみ。わからないに加えて自由記述もあり)
    • 1日
    • 1ヵ月
    • 1年

科学技術に関する知識設問 (3) (2018)

  1. あなたが人体の「DNA」を見つけようとする場合、人体のどの場所で見つかると思いますか。1つだけ選んでください。(わからないに加えて自由記述もあり)

    • 髪などの毛
    • 血液などの体液
    • 口の内側
    • 爪や皮膚
    • 骨や筋肉
    • 人体のどこでも
  2. (前略) ある薬が高血圧に効くかどうか知りたいと思っています。最初の科学者は1000人の高血圧患者にその薬を投与し、血圧が下がった人の人数を調べました。もう一人の科学者は500人の患者にその薬を与え、別の500人の患者には与えず、それぞれのグループに血圧が下がったかどうか聞いてみました。あなたは、この薬を試験するのにどちらの方法が適当と思いますか。 (使用しない)

    • 1000人すべての患者に投与する
    • 500人に投与し、残り500人には投与しない

科学技術に関する知識設問 (4) (2018)

  1. なぜ、そのような方法が適当と思われましたか。その理由を1つだけ選んでください。(5が正答だった者のみ。わからないに加えて自由記述もあり)

    • 実験薬を飲むのが少ない人数のため
    • 比較できるため
    • 二重盲検法のため
    • 対照グループがあるため
  2. ある夫婦が医者からあなたたちの遺伝子の組み合わせでは、4分の1の割合で生まれつきの病気を持った子どもが生まれると言われました。このことから、次のような考え方は それぞれ「正しい」と思いますか、それとも「誤っている」と思いますか。

    1. もし最初の3人がその病気を持っていなければ、4人目はその病気を持つ 誤っている
    2. もし最初の子が病気を持っていれば、後の3人は病気を持たない 誤っている
    3. 生まれてくる子どもが病気を持つ確率はみな同じ 正しい
    4. この夫婦が3人しか子どもを持たない場合、病気を持った子ども達はいない 誤っている

因子分析 (2018)

Factor1 Factor2 Factor3 Communality
Q_FoodLiteracy06 0.85 -0.11 -0.06 0.36
Q_FoodLiteracy07 0.85 0.03 -0.07 0.41
Q_FoodLiteracy05 0.81 0.04 -0.08 0.29
Q_FoodFaddism05 0.79 -0.17 0.00 0.60
Q_FoodFaddism06 0.77 -0.16 0.01 0.66
Q_FoodFaddism04 0.74 -0.14 0.03 0.67
Q_FoodFaddism02 0.74 0.05 -0.06 0.45
Q_FoodLiteracy09 0.63 0.09 0.00 0.42
Q_FoodFaddism03 0.63 -0.23 0.03 0.24
Q_FoodFaddism01 0.61 0.23 0.05 0.42
Q_FoodLiteracy03 0.59 -0.03 0.09 0.43
Q_FoodLiteracy08 0.57 0.30 -0.03 0.60
Q_FoodLiteracy01 0.48 0.19 0.10 0.70
Q_FoodLiteracy04 0.45 0.20 0.04 0.63
Q_MediaLiteracy08 -0.04 0.84 -0.07 0.43
Q_MediaLiteracy09 -0.01 0.80 -0.08 0.27
Q_MediaLiteracy07 -0.09 0.78 0.03 0.37
Q_MediaLiteracy06 -0.14 0.65 0.16 0.23
Q_MediaLiteracy05 0.01 0.65 -0.02 0.24
Q_MediaLiteracy10 0.07 0.65 -0.02 0.30
Q_MediaLiteracy18 0.00 0.63 0.00 0.39
Q_MediaLiteracy12 0.00 0.59 0.11 0.50
Q_MediaLiteracy17 -0.02 0.54 0.08 0.51
Q_MediaLiteracy11 -0.02 0.52 0.01 0.43
Q_MediaLiteracy04 -0.19 0.44 -0.13 0.56
Q_MediaLiteracy14 -0.11 0.43 -0.18 0.62
Q_MediaLiteracy15 0.17 0.42 0.04 0.58
Q_FoodFaddism14 -0.07 -0.09 0.92 0.68
Q_FoodFaddism13 -0.02 0.04 0.84 0.77
Cumulative Var 0.23 0.42 0.48 NA

因子分析のまとめ (2018)

  • 2017年調査と同じ結果

    • 第1因子: 食品リスクリテラシー因子 (食品リスクリテラシー+フードファディズム) α=.92
    • 第2因子: メディアリテラシー因子 (メディア・リテラシー) α=.88
    • 第3因子: 健康配慮因子 (フードファディズム尺度の2項目) α=.84

放射性物質知識設問の回答分布 (2018)

放射性物質知識設問全6問の正答数分布 (2018)

##    vars    n mean   sd median trimmed  mad min max range skew kurtosis
## X1    1 2080 1.37 1.21      1    1.24 1.48   0   6     6  0.8     0.26
##      se
## X1 0.03

一般的科学知識設問の回答分布 (1) (2018)

一般的科学知識設問の回答分布 (2) (2018)

一般的科学知識設問の回答分布 (3) (2018)

一般的科学知識設問の回答分布 (4) (2018)

一般的科学知識設問全19問の正答数分布 (2018)

##    vars    n mean   sd median trimmed  mad min max range  skew kurtosis
## X1    1 2080 9.94 4.39     10   10.16 4.45   0  19    19 -0.38    -0.62
##     se
## X1 0.1

知識設問の正答率 (2018)

vars n mean sd median trimmed mad min max range skew kurtosis se
Knowledge01A 1 2080 0.30 0.46 0 0.25 0 0 1 1 0.86 -1.25 0.01
Knowledge02A 2 2080 0.10 0.30 0 0.00 0 0 1 1 2.62 4.87 0.01
Knowledge03A 3 2080 0.25 0.44 0 0.19 0 0 1 1 1.12 -0.74 0.01
Knowledge04A 4 2080 0.24 0.43 0 0.18 0 0 1 1 1.21 -0.55 0.01
Knowledge05A 5 2080 0.31 0.46 0 0.27 0 0 1 1 0.81 -1.35 0.01
Knowledge06A 6 2080 0.16 0.36 0 0.07 0 0 1 1 1.88 1.54 0.01
Knowledge07A 7 2080 0.75 0.43 1 0.82 0 0 1 1 -1.17 -0.63 0.01
Knowledge08A 8 2080 0.66 0.47 1 0.70 0 0 1 1 -0.67 -1.55 0.01
Knowledge09A 9 2080 0.56 0.50 1 0.57 0 0 1 1 -0.22 -1.95 0.01
Knowledge10A 10 2080 0.25 0.44 0 0.19 0 0 1 1 1.13 -0.72 0.01
Knowledge11A 11 2080 0.24 0.43 0 0.18 0 0 1 1 1.21 -0.53 0.01
Knowledge12A 12 2080 0.30 0.46 0 0.25 0 0 1 1 0.85 -1.27 0.01
Knowledge13A 13 2080 0.25 0.43 0 0.18 0 0 1 1 1.18 -0.61 0.01
Knowledge14A 14 2080 0.64 0.48 1 0.68 0 0 1 1 -0.60 -1.64 0.01
Knowledge15A 15 2080 0.73 0.44 1 0.79 0 0 1 1 -1.05 -0.90 0.01
Knowledge16A 16 2080 0.64 0.48 1 0.67 0 0 1 1 -0.57 -1.68 0.01
Knowledge17A 17 2080 0.72 0.45 1 0.78 0 0 1 1 -0.98 -1.04 0.01
Knowledge18A 18 2080 0.34 0.47 0 0.30 0 0 1 1 0.66 -1.56 0.01
Knowledge19A 19 2080 0.64 0.48 1 0.67 0 0 1 1 -0.56 -1.69 0.01
Knowledge20A 20 2080 0.86 0.35 1 0.95 0 0 1 1 -2.09 2.35 0.01
Knowledge21A 21 2080 0.84 0.37 1 0.92 0 0 1 1 -1.83 1.34 0.01
Knowledge22A 22 2080 0.58 0.49 1 0.60 0 0 1 1 -0.34 -1.89 0.01
Knowledge23A 23 2080 0.48 0.50 0 0.48 0 0 1 1 0.07 -2.00 0.01
Knowledge24A 24 2080 0.60 0.49 1 0.63 0 0 1 1 -0.41 -1.83 0.01
Knowledge25A 25 2080 0.14 0.35 0 0.05 0 0 1 1 2.03 2.12 0.01
Knowledge26A 26 2080 0.58 0.49 1 0.60 0 0 1 1 -0.34 -1.89 0.01
Knowledge27A 27 2080 0.63 0.48 1 0.66 0 0 1 1 -0.52 -1.73 0.01
Knowledge28A 28 2080 0.59 0.49 1 0.62 0 0 1 1 -0.38 -1.86 0.01
Knowledge29A 29 2080 0.63 0.48 1 0.67 0 0 1 1 -0.56 -1.69 0.01

望ましさに関する項目の分析 (2018)

  • 福島第一原子力発電所の事故で起こった風評被害は望ましくない現象である。
  • 風評被害によって福島県の農家が損失を被るのは望ましくない現象である。

買い控えに関する項目の分析 (2018)

  • 国の基準が守られていれば、福島第一原子力発電所の近辺で取れた作物を食べることに抵抗はない。(逆転)
  • 風評被害を防ぐために、率先して福島県産の作物を購入したいと思う。(逆転)
  • 福島県産の作物と他県で採れた作物が同じ値段だったら、他県のものを購入する。

相関 (2018)

消費者の行動に矛盾はあるか? (1) (2018)

  • 風評被害を望ましくないと思っている消費者ほど、買い控え的行動には否定的だが、「他県のものを購入する」に関しては相関が極めて弱い (rは.01と.08)
  • 2015/2017年調査と同じく「風評被害は望ましくないが、自分は買い控えをする」矛盾した消費者はどのくらいいるのかを次に調べる。

消費者の行動に矛盾はあるか? (2) (2018)

買い控え傾向は何によって影響されるか? (2018)

  • 従属変数: 買い控え傾向 (3項目合算)
  • 独立変数: 性別、年齢、福島への距離、子どもの有無、風評被害を望ましくないと思う傾向、食品リスクリテラシー、メディアリテラシー、健康配慮、不安、放射線知識設問正答数
    • R2=.17 (p<.01)
Estimate Std. Error t value Pr(>|t|)
(Intercept) -0.06 0.03 -1.65 0.10
SEXfemale 0.01 0.04 0.18 0.86
AGE_s -0.09 0.02 -4.10 0.00
AREAdis_s -0.01 0.02 -0.32 0.75
CHILDhave 0.10 0.04 2.32 0.02
Undesirable_s -0.51 0.02 -25.82 0.00
Food_Literacy 0.15 0.02 7.20 0.00
Media_Literacy 0.14 0.02 6.97 0.00
Health 0.01 0.02 0.35 0.73
Knowledge_s -0.13 0.02 -6.09 0.00
Knowledge_g_s 0.12 0.02 5.42 0.00

買い控え傾向は何によって影響されるか? (2018)

  • 買い控えの要因
    • 年齢が低いこと (β=-.09)
    • 福島への距離が遠いこと
    • 子どもがいること (β=.10)
    • 「風評被害は望ましくない」と思わないこと (β=-.51)
    • 食品リスクリテラシーの高いこと (β=.15)
    • メディアリテラシーの高いこと (β=.14)
    • 放射線に関する知識が乏しいこと (β=-.13)
    • 一般的科学知識のレベルが高いこと (β=.12)

2018年調査の考察 (2018)

  • 基本的に2015/2017年の調査の結果が再現された。
  • 放射線に関する知識のある消費者 (少ないけれど) は買い控えを行わない傾向にある。
  • しかし、一般的科学知識については買い控えを促進する方向であった。

考察

まとめ

  • 3年間の調査で再現されたこと

    • 食品リスクリテラシーやメディアリテラシーが高いことは買い控え傾向を抑制しない (むしろ逆?)。
    • 放射性物質に関する知識があることは買い控え傾向を抑制する。
    • 一般的な科学知識の豊富さは、必ずしも買い控えを抑制しない (むしろ逆?)。

課題

  • 「買い控え傾向」は3項目のリッカート尺度で測定しているが、これは本当に実際の購買行動を予測するのか、という古くて新しい問題がある (Rosenberg & Hovland, 1960; 中村, 1993)。
  • 一般的な科学知識が豊富でも、リスクに対する意識が高くても、むしろそういう消費者によって買い控えが担われているとすればわれわれはどうすればよいのか?

    • 放射性物質に対する知識についてはあったほうがいい。
    • 「風評被害は望ましくない」という態度の形成は効果があるかもしれない。
    • しかし、一般的科学知識は豊富な方が買い控えを行ってしまう。

付録

分析環境

## R version 3.5.0 (2018-04-23)
## Platform: x86_64-apple-darwin15.6.0 (64-bit)
## Running under: macOS High Sierra 10.13.4
## 
## Matrix products: default
## BLAS: /Library/Frameworks/R.framework/Versions/3.5/Resources/lib/libRblas.0.dylib
## LAPACK: /Library/Frameworks/R.framework/Versions/3.5/Resources/lib/libRlapack.dylib
## 
## locale:
## [1] ja_JP.UTF-8/ja_JP.UTF-8/ja_JP.UTF-8/C/ja_JP.UTF-8/ja_JP.UTF-8
## 
## attached base packages:
## [1] stats     graphics  grDevices utils     datasets  methods   base     
## 
## other attached packages:
##  [1] bindrcpp_0.2.2      formattable_0.2.0.1 kableExtra_0.9.0   
##  [4] rpivotTable_0.3.0   psych_1.8.4         corrplot_0.84      
##  [7] forcats_0.3.0       stringr_1.3.1       dplyr_0.7.5        
## [10] purrr_0.2.4         readr_1.1.1         tidyr_0.8.1        
## [13] tibble_1.4.2        ggplot2_2.2.1       tidyverse_1.2.1    
## 
## loaded via a namespace (and not attached):
##  [1] revealjs_0.9      tidyselect_0.2.4  reshape2_1.4.3   
##  [4] haven_1.1.1       lattice_0.20-35   colorspace_1.3-2 
##  [7] viridisLite_0.3.0 htmltools_0.3.6   yaml_2.1.19      
## [10] rlang_0.2.0       pillar_1.2.2      foreign_0.8-70   
## [13] glue_1.2.0        modelr_0.1.2      readxl_1.1.0     
## [16] bindr_0.1.1       plyr_1.8.4        munsell_0.4.3    
## [19] gtable_0.2.0      cellranger_1.1.0  rvest_0.3.2      
## [22] htmlwidgets_1.2   evaluate_0.10.1   knitr_1.20       
## [25] parallel_3.5.0    highr_0.6         broom_0.4.4      
## [28] Rcpp_0.12.17      scales_0.5.0      backports_1.1.2  
## [31] jsonlite_1.5      mnormt_1.5-5      hms_0.4.2        
## [34] digest_0.6.15     stringi_1.2.2     grid_3.5.0       
## [37] rprojroot_1.3-2   cli_1.0.0         tools_3.5.0      
## [40] magrittr_1.5      lazyeval_0.2.1    crayon_1.3.4     
## [43] pkgconfig_2.0.1   xml2_1.2.0        lubridate_1.7.4  
## [46] assertthat_0.2.0  rmarkdown_1.9     httr_1.3.1       
## [49] rstudioapi_0.7    R6_2.2.2          nlme_3.1-137     
## [52] compiler_3.5.0